2. 味と品質

動画で読む

21世紀に入り、農作物や食品全般の「偽装」がよく話題になります。何が本当で、何がウソなのか。命に直結する食べ物での分野で、このような問題がひとつでも起きることは、異常な状態であると思います。

消費者のほとんども、この問題に薄々気づいてはいても、疑いだしたらキリがないことをよく知っているので、あきらめているのではないでしょうか。

しかし、本当にあきらめてしまっては、子供や孫の世代に危険な食べ物を押し付けることと同じではないでしょうか。幼い子供たちは、自分の力で選ぶことができません。私たち親や祖父母たちは、ここが踏ん張りどころだと思うのです。

さて、自然農法という興味深い栽培方法が提唱されてから、まだ100年も経っていません。そのほかにも、有機農法と呼ばれる技術もあります。これらの技術は何がどう違うのか。また、味や品質の違いはどうなのか。何が問題なのか。そのことを考えてみます。

農業技術は、大きく3つのグループに分けれらています。その違いについてまとめました。

①慣行農法(かんこうのうほう):一般的に行われている技術。
使用しているもの=化学肥料、有機肥料、農薬、遺伝子組み換え種子

②有機農法(ゆうきのうほう):農薬や化学肥料への反発から生まれた技術。
使用しているもの=有機肥料(動物性、植物性)

③自然農法(しぜんのうほう):自然との一体感を重視する情緒的な技術。
使用しているもの=一切不使用。ただし、有機肥料(植物性堆肥のみ)は可とされる。

ざっと、このような感じです。日本ではほとんどが慣行農法で、ごく一部が有機農法(全耕作地の1%未満)です。自然農法は、全体から見れば、ほぼゼロに等しいでしょう。(欧米では、急速に有機農法が広がっています)

では、味や品質はどうなのでしょうか。

【味】

いまの社会は、慣行農法の作物がほとんどで、食べ比べた経験のある人は少ないと思います。なので、「どうやって栽培しても、味はたいして変わらないのではないか」と思っている人が多いでしょう。

しかし、実際には違います。

野菜や果物の味は何で決まるかご存知でしょうか。ずばり肥料と農薬です。肥料の味、農薬の味があるのです。(ただし、農薬の味は、舌がしびれるピリピリ感です)

化学肥料を使った作物はエグミが多く、有機肥料を使った作物は、例えば牛糞や鶏糞などの家畜糞を使った場合、糞由来の味がします。甘味料を肥料に使えば甘くなります。

逆に自然農法は、初めて食べたときに「あれっ?」と思うほどあっさりしていると言われます。エグミがなく、ピリピリ感もありません。舌にまとわりつくようなベタベタした甘味もありません。

そして、しばらく食べ続けていくと、自然農法特有の、ほんのり微妙で複雑な味わいが判別できるようになります。同時に、慣行農法や有機農法で栽培された作物の強い味(臭い)に違和感を覚えるようになることが多いようです。

【品質】

自然農法の作物について検索すると、「腐敗実験」をしている情報に出会います。慣行農法・有機農法・自然農法の3つの作物(野菜・果物・米など)をガラス容器に密封し、時間が経つとどうなるか比較実験するのです。

結果は、慣行農法⇒すぐ腐敗する。有機農法⇒少し遅れて腐敗する。自然農法⇒腐敗せず発酵する。

これこそ、私が自然農法の研究の道に入った動機です。

「新鮮野菜」という言葉があります。あるいは、ビニール袋に入れて野菜を放置していると、腐敗して溶けてしまう経験を持っている人も多いと思います。いまの野菜は、新鮮なうちに食べないといけません。

しかし、冷静に考えてみましょう。密閉して腐るということは、新鮮な野菜を食べても、密閉された胃腸の中で、野菜は腐ってしまう可能性があります。逆に、密閉容器で発酵する野菜を食べると、胃腸の中でも必ず発酵する、つまり乳酸菌などの善玉菌が増えるということになります。

地球上のどんな生き物も、自然のものを食べて生きています。もちろん、人間もそうでした。食べて腐敗するものは、本来の人間の食べ物とはいえません。腐らない農作物、それが自然農法の作物です。

腐敗する食べ物が、さまざまな病気の原因になっている可能性があります。その視点に立つかどうかが、自然農法を選択するかしないかの分かれ道になるのでしょう。


自然農法と自然栽培という言葉があります。自然農法は、私たちのように生産者が使います。逆に消費者から見ると自然栽培といいます。同じように、有機農法、慣行農法は生産者目線の言葉で、有機栽培、慣行栽培は消費者目線の言葉ということになります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です