3. 肥料を使わず大きく育つのか?

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肥料を使わない自然農法は、「ちゃんと野菜や果物が大きく育つのか?」と疑問視する声がとても多い技術です。この疑問に対して、「ちゃんと育ちます」と即答できないところが、まだまだ発展途上の技術であることを示しています。

その理由は、自然農法で野菜や果物が育つ科学的な研究がなされてこなかったことが挙げられます。

たとえば、都市部の街路樹や、庭の柿木などは、肥料を施さなくてもぐんぐん育ちますし、美味しい柿の実も成ります。コンクリートのわずかな隙間から雑草がたくましく生えてきます。

こうした光景を身近に見ている私たちは、直感的に「肥料がなくても野菜は育つだろう」と、頭ではわかっているのです。ところが、自然農法の研究は、思わぬところで行き詰まってしまったのだと推測されます。

それは、もともと肥料栽培をしていた農家が、無肥料栽培に取り組んできたことです。どういうことかというと、すでに肥料の入った畑を使って、「ある時点から肥料を切る」ことで研究を始めるパターンがほとんどでした。

すると、初めのころは、畑に残った肥料分によって作物が育ち、「なんだ、肥料がなくても育つじゃないか」と農家は喜ぶのですが、そのうち作物が小さくなり、やがて全然育たたなくなる。そんな事例が続出しました。これでは生活が続かないので、自然農法の研究はまったく進みませんでした。

どうやら、自然農法というのは、従来の肥料栽培とはまったく異なる仕組みで作物が育つのではないか? そんな視点から研究を始める必要がありました。そこで、10年以上も放っておかれた、いわゆる耕作放棄地で研究を始めた結果、ようやくその仕組みが明らかになってきたのです。

概要は、Halu農法のページで解説していますが、街路樹や庭の柿木が育つ仕組みをそのまま畑に応用することで、とても元気な作物が育つようになりました。

もちろん、「すべての作物がちゃんと育つ」とは言えないまでも、大根や人参など、家庭でたくさん使われる野菜については、量産技術がある程度確立しています。現在も、いろいろな野菜を育てる研究を続けていて、近い将来、自然農法が広く普及できそうな気配はあります。

そして、その担い手の中心になるのは、もともとの農家ではなく、自然を愛し、農業に関心のある、新たな担い手であろうと思います。

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