5. 自然農法の理論 “オカルト”という批判はもう古い!?

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肥料も農薬も使わない──と言った瞬間に拒絶反応が起きる。

いままでの日本は、ずっとそのような雰囲気でした。その反応は、農家だけでなく、家庭菜園を楽しむ一般の人々にとっても同様で、自然農法は、皆にとって“オカルト”だったようです。

自然農法を科学的に研究する人は、確かに日本にはほとんどいません。

8年前(2011年4月)に研究を始めたときは、まったく雲をつかむような状態で、「とんでもない世界に迷い込んでしまった」と暗く落ち込む日々が続きました。

しかし、庭の柿の木が美味しい実を成らせる以上、その仕組みを科学的にとらえることは決して不可能ではない。そう信じていました。

いまの時点では仮説にすぎないかもしれません。ただ、実際に野菜や果物ができているので、あとは時間とともに定説として足場を固めていく時代に入っていると思います。

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自然農法の理論をひと言で書けば、「植物と微生物は一体の存在である」という考え方が基本です。そして、「太陽の光」「水」「空気」がそろえば、どんな植物も自動的に育つのです。

生物学では、そもそも植物を「独立栄養生物」と規定しています。つまり、自分で栄養を調達して、勝手に育ち、世代を紡いでいく生き物です。

一方、人間や他の動物は「従属栄養生物」といい、動き回って栄養を調達しなければ生きていけません。だから「動物」と分類されるのです。

さて、自然農法の理論を支えているのは、「植物と対になる“共生微生物”が繁殖しやすい環境を整える」技術です。それこそが自然農法である所以というわけです。

理想的な環境は、「適度な通気性と保湿性のある土壌」です。とくに、野菜や果物と共生する微生物にとっての理想的な土壌環境として、高さ40cm、幅120cmの畝を造成します。ここに種や苗を植えつけると、さまざまな農作物が自然に育っていきます。

この理論は、あくまで仮説です。しかし、実際に野菜や果物はできます。

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どのような野菜や果物が、どのような畝の形のときに最も良く育つとか、どの土質にはどの野菜が適切かとか、今後の研究課題は無限にあります。

しかし、作物と微生物はそもそも一体で、「光・水・空気」があれば、勝手に育っていくという考え方は共通です。あとは、畝の高さや幅を微調整していけばいいだけのことなのです。

そして、応用技術としては、水や温度の管理ができるハウス栽培なら、共生微生物にとって、さらに理想的な環境を整えることができる可能性が高くなると思われます。

ということは、「肥料も農薬も使わない植物工場」が、決して夢物語ではないのです。そうなれば、「どんな気象条件にも負けない自然農法の時代」の幕開けです。

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