ごあいさつ

日本古来の自然観から生まれた自然農法──。その理論化にチャレンジし、特許という成果を得ることができました。日本発祥の自然農法は、世界の食糧事情を一変させるほどの潜在力を秘めていると思います。

いま、人間が生きていくうえでもっとも大切な「食の安全」が揺らいでいます。同時に、農業への関心が日増しに高まっているように感じます。

従来の農業技術を学んでいると、あるいは実践してみると、まず農薬について疑問が生まれます。知識を深めていくと、次に肥料への疑問が生まれてきます。この段階になると、日本では必然的に自然農法(無肥料農法)への興味がわいてきます。

私も、そんな人間のひとりでした。

ジャーナリズムの世界にいた私は、初めは取材からスタートしました。しかし、どうしても自然農法の科学的な研究が必要だという思いに駆られ、独学で研究の道にはまってしまいました。運の良いことに、科学の進歩によって、自然の仕組みが次々と解明されています。おかげさまで、自然農法の理論化にたどりつき、特許という成果を得ることができました。自然農法はいまや、だれにでもチャレンジできるほど簡単になり、ますます魅力を増しています。

肥料がなくても、ほとんどの作物が栽培できることはわかりました。また、いくつかの野菜類は、大量生産できることもわかってきました。研究が進めば、どんな作物であっても、大量生産できるようになると確信しています。

作物を肥料で育てるといういまの農業に疑問が出てこなければ、そのまま現在の技術を高めていけば良いでしょう。

しかし一方で、肥料にも疑問を持つようになった人たちには、自然農法の道を開く必要があると思います。とくに、最新の栄養分析の結果、完全に無肥料で育てる自然農法の野菜のほうが、肥料を使った野菜よりも優れていることが証明されています。

いまの日本は、自然と一体となる古来の自然観が失われ、自然農法への興味関心は決して高くありません。それでも埋没することなく、この素晴らしい農業技術の発展に、微力ながら力を尽くしてまいります。

このサイトを訪れてくださった心ある方に、ぜひいっしょに取り組んでいただけるようお誘いいたします。心から安心して食べることができ、「美味しい」と感動できる野菜や果物を、自分の手で育ててみませんか。

★★★★★ ★★★★★

日本の農業の未来(緊急の課題)

農業の活性化をうたって、IT技術や植物工場の活用などがメディアを賑わせています。しかし、本当の問題が背後に隠れています。

それは、肥料を輸入に頼っているという事実です。

一般に農業の教科書には、「窒素、リン酸(リン)、カリ(カリウム)」が必須肥料と書かれていますが、いずれも天然資源を原料にし、しかも枯渇が指摘されています。

現時点で食糧自給率が38%(カロリーベース)と、先進国のなかで段違いに低いうえに、自前で調達しているはずの国内の農産物も、実は輸入肥料なしには成り立たないのです。肥料の輸入を考慮したとき、食糧自給率は限りなくゼロに近い──これがこの国の真の姿です。

しかし、この状況を「国家存亡の危機」と解釈するか、「食糧はすべて輸入に頼れば良い」と解釈するかは、どちらも国民の選択にゆだねるしかありません。

ひとつ、ここで提案できることがあります。自然農法ならば、肥料を使わずに農作物を育てることが可能です。しかも、さらに応用が利きます。家畜飼料も調達できるし、家畜糞を良質な肥料に変えることもできます。

これならば、肥料の自給率が上がるだけでなく、食糧自給率も100%まで無理なく回復させることができる。そう信じています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加