いま、なぜ自然農法なのか?

私たちが自然農法を選択する理由についてご説明いたします。

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1. 輸入ストップで日本人はみな飢える⁉

日本の食糧自給率は、カロリーベースで38%(平成27年現在)で、先進国のなかでは異常なほど低い数値で推移しています。しかし、問題はほかにあります。日本の農業は、肥料のほとんどを輸入に頼っています。そのため、本当の食糧自給率は、かぎりなくゼロに近いのです。これほど脆い食糧事情を抱えている国は、おそらく日本だけではないでしょうか。

世界経済の混乱や、大規模な自然災害によって輸入がストップした場合、農業が成り立たず、多くの日本人は飢えに苦しむでしょう。輸入に頼らない農業技術を持つことは、将来にわたって日本国民が安心して生活していくための大きな力になるはずです。

2011311日の東日本大震災のとき、有機農業を学んでいました。震災で物流が止まったとき、農場もすべて止まりました。その経験から、「輸入や物流に頼らない農業」の必要性を痛感しました。

2. 農薬への不安

肥料の使い方はとても難しく、少しでも使い方を誤ると、作物が不健康になり、病気や虫食いが多くなります。すると農薬が必要になります。現在の農薬は、短期間の動物実験で安全性が認めれていますが、長期的に人間にとって安全なのどうかは何ら証明されていません。可能な限り薬剤は使わない農業技術を求めることは、大変有意義なことです。

3. 環境への負荷がない

子供や孫が安心して食べられる安全な作物であり、なおかつ、環境への負荷が一切ありません。肥料・農薬ともに使わない自然農法は、環境を破壊するどころか、大気中の二酸化炭素を減らし、いろいろな生き物を増やすことになります。国民が将来ともに安心して生きて行けるだけでなく、環境保護活動に大いに貢献できるのです。

4. 美味しい!楽しい!元気になる!

自然農法は、農業の視点だけでなく、私たち人間の心身を整える環境づくりという視点でも大変有効です。現代人は、職場などでストレスを感じると、森林浴など「自然との接点」を求めます。自然農法の農場は、私たち自身の手で「自然環境」を創造していくのと同じで、そこにいるだけで森林浴に匹敵する癒し効果が得られると考えられています。

課 題

農業の起こりは約1万年前とされています。しかし長い歴史のなかで、自然農法の科学的な研究は、まだ始まったばかりです。この技術をさらに深め、食糧調達の問題や安全性の問題を解決するためには、多くの人の協力や支援が必要です。その方法とは、1人でも多くの人に、肥料も農薬も使わず野菜や果物を育ててもらうことです。そしてその味を、自分自身の五感で味わっていただくことです。

(歩屋代表 横内 猛)