2018年夏のトウモロコシです。トウモロコシは遺伝子組み換え技術のもっとも進んでいる品種のひとつであろうと思います。その分、危険性、安全性についていつも議論の中心にいます。(なぜ危険なのかは、関連記事をご参照ください。)
これまでも、無肥料・無農薬でトウモロコシを栽培してきましたが、成績は思わしくありませんでした。種苗会社で販売されている品種は、やはり、かなり遺伝子がいじられているのだと思います。種を採種できても、翌年にはほとんど発芽せず、発芽したとしてもまったく育ちませんでした。
思い切って2018年には、外国で普通に栽培されている固定種の種を使いたいと思い、タイで栽培されている品種の種を手に入れて育ててみました。
写真は、干ばつと酷暑のなかで、頑張って育ってくれたトウモロコシです。味は、自然な感じの甘味がしますし、穀物としての風味というか、濃い味がしました。
これを乾燥させて、来年また育てる予定です。
ところで……
とても興味深い発見がありました。
タイのトウモロコシの種を播くとき驚きました。これまで使った種と違い、丸い粒のまま乾燥して小さくなっていたのです。そして、収穫して乾燥したものも、やはり丸い粒のまま乾燥して小さくなりました。これは、古来のモチモチした品種ならではのものだと思われます。これは、古く日本でも栽培されていた持ちキビ種でしょう。
ホームセンターなどで売られているF1種や遺伝子組み換えの種は、いま一般に流通しているスイートコーンがほとんどで、種は、薄っぺらく、シワシワ、ぺしゃんこ状態になって乾燥していて、さらに「チウラム」という赤い消毒薬をまぶした状態です。
あまりの違いに、本当に驚かされます。
今回採れた種は、きらきら輝く宝石のように見えます。この種は、次回に植えることを考えると、たくさん採れました。
いよいよ量産実験ができます。
2020年に採れ始めたトウモロコシは、以前に比べて大きくなっており、よく育っています。持ちキビ種はでんぷん質が多いため、食味は甘さが少ないものの、深い味わいが特徴です。